メルサンディの村
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前回、年老いた犬を仲間にしたぷくみは、新たな出会いを求め馬車に乗り込みました。
長旅の末、鳥の保護活動をしている人物に会うため、メルサンディの村にやってきたのです。
ティルツキン『さあ、到着しましたよ~。』
ぷくみ『どうもありがとう~!』
ティルツキン『あたしはまたここで待ってますね。』
ぷくみ『お馬さん、お水しっかり飲んでね~!』
ティルツキンと仲間になった犬を残して、ぷくみ達はメルサンディの村に入りました。
鳥の保護活動家を探すため、まずは村人から情報を集めることにします。
ドスッ・・・ドスッ・・・(足音)
ぷくみ『のどかだね~!』
ラッキー『緑が多くていい村だね。』
メルサンディの村は麦畑と風車に囲まれた、豊かな大農園地帯にあります。
村を歩くと、お食事処の看板が軒並みに見られ、美味しそうなにおいが漂っています。
じゅるり・・・(よだれの音)
ぷくみ『お腹すいてきたね~、ラッキー。』
ラッキー『ダイエットはいいの?』
ぷくみ『牛飲馬食って言うでしょ~!』
ラッキー『使い方間違ってるよ。それ。』
牛飲馬食(ギュウインバショク)・・・牛や馬のように、よく飲み食べること。
村のいたる所にある食の誘惑を断ち切ったぷくみは、村の中央部にたどり着きました。
中央には、樹齢数百年は経ってそうな大きな木があり、木陰がとても気持ちいいです。
ぷくみ『第一村人発見~!』
ぷくみ『あの人に聞いてみよう~!』
ぷくみは、大樹の陰にたたずむ村人を発見しました。
さっそく鳥の保護活動家について、情報を集めようと思います。
ぷくみ『こんにちは~!』
村人『あら旅人さん、こんにちは。』
ぷくみ『鳥の保護活動してる人のこと教えて欲しいの~!』
村人『村はずれのウズランのことね。』
村人『あの人はここらでは有名な愛鶏家なのよ。』
ぷくみ『あいけいか~?』
ラッキー『ニワトリを大事に育ててる人のことだよ。』
村人『そうね。ニワトリを命と同じくらい大切にしてるわ。』
村人『村の料理屋で使う卵は、ウズランのニワトリの卵使ってるのよ。』
村人『村のニワトリも、すべてウズランが管理してるの。』
村人『ニワトリの飼育に関しては右に出る人はいないと思うわ。』
ぷくみ『すごい人だね~!』
村人『村の人は尊敬の念をこめて、ニワトリ婦人と呼んでいるのよ。』
ぷくみ『ニワトリ婦人~!』
村人『村の北の方にニワトリ婦人の家と鶏舎があるわ。』
ぷくみ『どうもありがとう~!』
どうやら鳥の保護活動家とは、ニワトリの飼育をしてる人物のようです。
村人達からは尊敬の念をこめて、ニワトリ婦人と呼ばれているみたいです。
村人から有益な情報を聞いたぷくみ達は、ニワトリ婦人の家に向かうことにしました。
村の中央を抜けて、北のはずれの方に向かうことにします。
ニワトリ婦人
ドスッ・・・ドスッ・・・(足音)
ぷくみ『きっとあそこだ~!』
ラッキー『ニワトリを貸してくれるといいね。』
柵の向こうに、ニワトリがたくさん見えてきました。
あれだけいれば、ショーに出てくれるニワトリもよりどりみどりです。
ぷくみは期待感で胸が高鳴りました。
コケッ・・・コケッ・・・!(ニワトリの声)
ぷくみ『わぁ~!ニワトリがいっぱいいるね~!』
ラッキー『でも、ずいぶんと厳重だね。有刺鉄線してるよ。』
鶏舎に着くと柵の中には、大勢のニワトリが所狭しと歩き回っていました。
柵の隙間には有刺鉄線が随所に張りめぐらされ、まるで堅固な牢のようです。
絶対に逃がすものかという意志を感じ取ったぷくみは、なんだか少し怖くなりました。
コンコン・・・・ガタッ(物音)
ぷくみ『留守かな~?』
ラッキー『なんか物音が聞こえなかった?』
ぷくみ『そう~?』
ドアをノックしてみましたが、どうやら留守のようです。
ドアにはしっかり施錠されているので、家のまわりを探ってみようと思います。
ガサゴソ・・・・(草をかき分ける音)
ぷくみ『ここから庭に入れるみたい~!』
ラッキー『勝手に入って怒られないかな。』
鶏舎のまわりを探すと、柵の一部が壊れていて庭に入れそうです。
太ったぷくみは、ほふく前進で地を這うタンクのように柵の向こうに進んでいきました。
庭に入ると、どこからともなく美味しそうなにおいが立ち込めています。
すんすんすん・・・・!(においを確認するぷくみ)
ぷくみ『あれ~?このにおいは~?』
ラッキー『揚げ物みたいなにおいだね。』
ぷくみ『香ばしいね~!』
どこかで嗅いだことがあるにおいの確認をしているその時・・・!
コラッ!!(怒号)
ウズラン『そこにいるのは誰!!』
ぷくみ『ひえっ!ご、ごめんなさい~!』
ラッキー『わっ!』
庭をウロウロしていると、突然後ろから大声で怒鳴られました。
においに夢中だったぷくみは不意を突かれ、びっくりして思わず謝ってしまいました。
※フレンドさんです。
ウズラン『ダメでしょ!勝手に中に入ったら!』
ウズラン『私はこの鶏舎の管理人のウズラン。』
ウズラン『あなた達、ここに何かご用?』
どうやらこの人が、ニワトリ婦人の二つ名を持つウズランさんみたいです。
ウズランさんが声を荒げるとニワトリ達は、畏縮して一瞬静かになりました。
よく調教されてるなとぷくみは少し感心しました。
コケッ・・・コケッ・・・!(ニワトリの声)
ぷくみ『あ、あのね~!じつは・・・。』
ぷくみはナブナブ大サーカス団のお話など、一部始終をウズランに話しました。
そして、ショーのためニワトリを1羽貸して欲しいとお願いしてみました。
ウズラン『それはできない相談ね。』
ぷくみ『だめ~?』
ウズラン『私はニワトリを愛護する活動をしているの。』
ウズラン『命と同じくらいニワトリを大切に扱ってるのよ。』
ウズラン『かわいい娘達がサーカスで見世物にされるなんて許せないわ!』
ぷくみ『そ、そう~?』
愛娘達をサーカスで見世物にできないということで、あっさり断られてしまいました。
さすがニワトリ婦人の異名を持つだけあります。
ニワトリ達を本当に大事にしてるんだとぷくみは感動しました。
しっしっ!(追い払うしぐさ)
ウズラン『さあ、わかったなら帰った帰った!』
ウズラン『これから夕飯の準備で忙しいのよ!』
ぷくみ『わかった~。ごめんね~!』
ぷくみ達は庭から追い払われてしまいました。
ニワトリにショーに出演してもらうことは諦めて、一旦馬車に戻ることにします。
コケッ!!コケッ・・・!!(ニワトリが騒ぐ声)
ぷくみ『あ~あ、断られちゃったね~。』
ラッキー『仕方ないよね。』
鶏舎から去ろうとして柵の前を通りかかると、突然ニワトリ達が騒ぎはじめました。
大量のニワトリが有刺鉄線の前に並び、何かをぷくみに訴えかけてきます。
ぷくみ『あれ~?どうしたんだろう~?』
ラッキー『何か様子が変だね。』
次回!ニワトリ達に一体何が・・・!
ぷくみの怒髪天をつく!?
※アンケートはお一人様1回まで有効です。
コメント
ウズランの野郎は動物虐待している可能性が高いな。ぷくみちゃん何とか救ってやってくれ
コメントありがとう~!
ぷくみにど~んとまかせておいて~!(ง・ω・)ง
今のぷくみが人間姿になったら、きっと賢者マリーンみたいな体格なんだろうね…
かつてのナイスバディを取り戻して欲しいです。
コメントありがとう~!
ガクガクガク・・・怖くて人間に戻れないよ~(๑•﹏•)
明日から頑張る~!ムシャムシャ(*´~`*)
ぷくみちゃん!
怪しい人がいつも傍にいるから身辺に気を付けてね!
香ばしい匂いがとっても気になります。
続きを楽しみに待ってるね♪
コメントありがとう~!
ホントに~?全然気づかなかった~(゜o゜)
早く更新できるようがんばるよ~( . .)φ
楽しみに待っててね~!
鶏の集団に丸々太った美味しそうな
ぷくみが食べられちゃう・・・
コメントありがとう~!
ぷくみ、脂身多いからおいしくないよ~(;’∀’)
いざとなったら食べ返すぞ~( ✧Д✧)